『価値観を共有している同士だから、仕事が上手くいって当たり前』|夫婦で働くということについて。|前編
今回のTORUMIRUインタビューは和田夫婦の働き方と夫婦観についてです。
はじめは「夫婦で働くということについて」というテーマで話していたのですが、話を聞けば聞くほど、これは夫婦のあり方に関係してくることだなと感じ、二人の関係性について、夫婦が上手に付き合ってく秘訣なども伺いました。
これまでの仕事のお話とは異なり、おちゃめな一面も見れる今回のインタビュー。二人の人間性をよく知ってもらえる内容になっていると思います!
後編はこちら!
仕事は夫婦のほうがラク。
──今回は「夫婦で働くということについて」というテーマでお話していくということですが、このテーマが決まった経緯を教えてもらってもいいですか?
仁美
自分たちの発信のことを知人に相談していたら、「夫婦で一緒に働いているってことがいいんじゃない?」という話になったのね。
「夫婦で働く」って、私たちにとっては当たり前のことだから、「うーん」って感じだったけど、意外といないらしくて。
例えば一緒にカフェとか店舗やっていたり、旦那さんの仕事を奥さんが手伝っていたりということは結構あると思うけど、夫婦で一緒にやるってのとはまた違うじゃない。そう言われて、なるほどってなった。
──二人が仕事を一緒にやりはじめたことになにか理由はありましたか?
海人
自然な流れだったよね。
仁美
そうだね、自然にそうなってた。まぁ私の場合は他の人と仕事ができなかったというところが大きいかもしれないけど。
──ああ、そういうことか。他の人が合わなかった、と。
仁美
他に私のこだわりと同じこだわりを持っている人がいなかったのかな。たまたま同じこだわりを持っている人がいた、というのが海人だった。
だから結婚したと思うんだけど。同じこだわりや価値観を持っている人と働くほうがスムーズよね。他の人だと、ぶつかってしまう可能性があるところとか、そういうものがなくなる。
同じ前提を持っている人だから、結果的にここに収まっているのかも。
──海人君だからこその部分って、どんなところがありますか?
仁美
私の好き嫌いをわかってくれる。私はライフスタイルも大切だから、働く中で。
私のいいバランスを知っていてくれている。家にいる自分も働いている自分も全部見てくれているから。
それを知ってくれているというのは、普通のビジネスパートナーとは違うのかもしれないね。
──海人君的には、なにか意識をしたり、仁美さんの様子を汲み取ったりしているところはありますか?それとも自然体にいるだけで、それが上手くハマっている?
海人
特に汲み取っていないね。
仁美
そうよね(笑)。お互いにお互いのことを求めていないかも。頼っていない。私が働いていなくても、彼は働いているし、逆もそうだし。
家にいてもそれぞれ自分のことやってる。「なんでこれしてくれないの?」とか、そういうのが全然ないのよね。
海人
やれることが完全に分離しているからかな。仁美に出来ることは俺に出来ないし。
仁美のなかのバランスがどうであろうが、俺は俺で出来ることをやるだけだし。そこに専念する。
仁美
それがうまくいっているのかもね。ラクなんだよね。単純に。それでも、悩み共有はできるじゃん。困ったことの相談は出来るから。安心だし、ラク。
──逆に夫婦で働くことに支障はありますか?
海人
睡眠時間が削れられるくらいかな。休みが取れない。
仁美
(休みを)いらないと思っているから、ってのもあるけどね。二人とも。好きなことやってるし。
海人
結婚記念日も仕事の話しているくらいだからね。仕事、イコール人生だから。仕事以外の話しをすることないしね。
仁美
うちら仕事の話しかしないよね。よく周りから「オンとオフ切り替えるの難しくない?」とか、時々言われるけど、別にオンもオフもないんだよね。
切り替えるものでもないし。どちらでもない。ずっと一緒。
──今は一緒に仕事をしているから、仕事の話がメインだと思いますが、一緒に仕事をしていないときはどんな話をしていたんですか?
海人
「人生どう生きたいか?」とか。
仁美
そこはあんまり変わらないよね。
──これは話せば話すほど、夫婦の関係性の話になってきそうですが、他の夫婦を見ていて思うことはありますか?
仁美
うーん、そうだな。思ったことを言えないとか、意味がわからないな。なんで言えないんだろう、とは思う。
あと旦那さんの愚痴を言うとかよく聞くけど。なんで愚痴を言うんだろう。愚痴を言うなら本人に言えばいいのに。
他の人に話したって、なんにも完結しないじゃんね。
海人
解決したいと思っていないんじゃない?
──もしかしたら、多くの夫婦は二人のように人生観の話をもっとしたほうがいいのかもしれないですね。
仁美
結婚したんだからね。相手に遠慮する必要ってどこにあるんだろうね。
──そもそも人生観の話をした上で、結婚した人がどのくらいいるのか疑問になってきましたね。
さっそく夫婦観の話になっていますが、夫婦で仕事をするということを考えたときに、真っ先に浮かぶことの一つに「ずっと一緒にいなければならない」ということがあると思います。
それをネガティブに考える人もそれなりにいると思うのですが、そもそも二人は「ずっと一緒にいられる」ということを前提に一緒にいる。
結婚をする理由を考えた時に、「価値観が一緒だった」ということを当たり前のように語られていますが、そもそも結婚する前に、人生観の話やそれぞれの価値観の話を深くまで出来ている夫婦が日本にどれくらいいるのだろうと、率直に疑問を感じてしまいました。
和田夫婦や私の周りにはフリーランスや起業家、トランスジェンダーなど、どちらかというと ”一般的” ではない夫婦、カップルが多いので、それらの友人たちはしっかりと自分の価値観をやり取りした上で結婚していることが多いように感じられます。
じゃあ、昔ながらの付き合いの地元の友達に目を向けてみると、そこまで出来ていないのではないかなぁという感じがしてくるのですよね。
ここは後の話につながることでもありますが、もし日本全体でコミュニケーション不足な夫婦やカップルが多いのであれば、これはよく考えなければならない問題のように感じます。
期待しない、ちゃんと言葉にする。
──ちょっとテーマからは外れてしまうかもしれませんが、せっかくなので夫婦が上手くいく秘訣とかあれば、教えて下さい。
仁美
嘘をつかない。
海人
ありすぎるな。思ったことはどんなに小さなことでもいいから言うとか。距離感を近すぎないように保つとか。
仁美
相手のファンでいる。相手を一番応援しているのが自分であるということ。
海人
良いところしか見ないとか。
仁美
それは、良いように解釈をするってことよね。良いところも悪いところも、両方見ているけど、欠点も「良さ」という解釈をするって感じ。
例えば、海人君は外に行ったときに、全くコミュニケーションが取れないけど、そんなときに「もうあなたはいつも無口で愛想が悪いんだから」という感じで攻めたりは絶対しない。
海人君は海人君の良いところがあるから、そこを尊重する。
海人
あと期待しない!「こうしてくれるだろう」みたいな。それはないよね。
──なんで期待しちゃう人は期待しちゃうんでしょうね。
仁美
ね。自分の常識を相手に押し付けてしまうのかもしれないね。
──愛されたいがゆえに、頑張ってしまって「なんで私ばっかり」となってしまうケースもありそう。
海人
そもそも、愛されたいってないよね。もう愛されているもんね。
そういう意味ではちゃんと表現しているかもね。ちゃんと言葉にしているしね。
仁美
うちらラブラブだもんね〜(笑)。
──つまり、コミュニケーションを取っているということですよね。十分に。
仁美
全てにおいてそれよ。「察してほしい」とかそういうんじゃなくて、言わなかったらわからないよね。伝えなきゃ。
──伝えることの大切さですね。
仁美
あと私が気をつけているのは、自分の中で感情が浮かんできたときに、その感情を突然ぶつけないってこと。
一旦時間をおいて噛み砕いて、「ああ、海人君はいま編集で忙しいんだな、仕事を一生懸命やってくれているからな」って、相手のことを冷静に見れると感情を消化できる。
それから冷静に伝えるってことをしているかな。
──そう考えると、ちゃんとコミュニケーションを取っていればいるほど、一緒に仕事はやりやすいですよね。仕事のいざこざもコミュニケーションのすれ違いから起こることがほとんどですもんね。
二人に夫婦のあり方について聞いてみました。「期待しない」という言葉を皆さんはどう受け取ったでしょうか。
期待をしないでお互いが出来ることをやる、これは言葉では理解できるものの、実際に顔を突き合わせてみるとなると難しく感じる方も多いと思います。
ついつい自分が思ったように相手が動いてくれないと、「ちょっと、もっとちゃんとしてよ」と言いたくなってしまったり、コントロールしたくなってしまうことがあります。
相手をコントロールしないためには、二人がそうしているように、そもそも「自分の出来ることしかやらない」という完全分業制を取ることが大切なのかもしれません。
お互いがお互いの出来ないことを、自らの得意なことで補っている関係性は理想的だと感じます。
これって、仕事でも同じですよね。ますます「仕事と夫婦」という関係性は、これから考えていく面白さがあるなと感じました。
「夫婦で働くということについて」前編のインタビューはここまで。
次回後半をお楽しみください!
後編はこちら!
写真|和田海人
聞き手|龍輪諭
0コメント